本日は平和祈念礼拝です。特に私達は8月9日の原爆投下第一候補地が、ここ北九州市の小倉であったことを忘れてはいけません。この地は沖縄を除く日本で初めて米軍より空爆を受けた所です。それは1944年6月16日未明であり、アメリカ軍の爆撃機であるB29から空襲を受けました。また1945年8月8日には221機のB-29が来襲し、45万発を超える焼夷弾を使用した爆撃を行ったのです。この空襲で合わせて約2,900人が犠牲となりました。

そして8月9日、サイパンより出発したB-29は9時44分投下目標である小倉陸軍造兵廠(しょう)上空へ到達しましたが、当日の小倉上空を漂っていた霞もしくは煙のために目視による投下目標確認に失敗したのです。B-29は40から50分間、小倉上空を原爆を積んだまま旋回していたのですが、原爆投下を諦めたので、その攻撃機は第二目的地である長崎に向かいました。そして11時2分に長崎で原爆が落とされてしまったのです。

ですから、ここ北九州市の身代わりに長崎がなってしまったのです。長崎の原爆は我々にとって決して他人事ではなく、まるで身代わりとなり十字架で命を投げ出されたイエス様のように、長崎の原爆の犠牲があったことを決して忘れてはいけないのです。その長崎を覚えて、我々は平和を祈念していきたいものです。それが長崎の犠牲者に対する我々の責任ではないでしょうか。

ミカが預言した終わりの日の平和は、滅びの後に地上のエルサレムが再建されることが基盤となっています。そこにイエス様の言葉に生きるわたしたちとの違いがあります。わたしたちにとっての救いは、地上のエルサレムではなく、ヨハネの黙示録に書かれている新しいエルサレムです。イエス様の十字架の贖いによってもたらされる平和です。「剣を取る者は皆、剣で滅びる」と言って、弟子たちをいさめ、十字架に向かわれたイエス・キリストが、敵意という隔ての壁を取り壊すのです。