モーセの生涯は大きく3つに分けられる。第一は誕生からエジプト王宮で最高の学問、訓練を受けた40年。第二は、イスラエル民族の一員であることを自覚し、虐げられている同胞を救いたいという情熱のもとエジプト人を殺害し、ミデアンの地に逃亡して過ごした40年。そして出エジプトのリーダーとして荒れ野で過ごした40年である。使徒言行録7章のステファノの説教にモーセの生涯が簡潔に記されている。
今日の聖書の箇所は、モーセが80歳の時、すなわち逃亡生活から出エジプトのリーダーへと導かれていく分岐点の出来事である。分岐点、それは新しい出発の時である。そして、私たちは人生において様々な分岐点に立たされる。この時をいかに過ごすか?が次の歩みの祝福につながる。
若松教会は今日、宣教131周年の記念の時を迎えた。それは、まさに次の歩みへと出発する分岐点に立ったということである。この時の祈り、語り合い、ヴィジョンの共有、決断は大いなる飛躍へとつながる偉大な一歩である。その一歩を導くのは神であり、必死で私たちと出会おうとさしている。
モーセは今、80歳。ミデアンの祭司の娘と結婚し、二人の男の子に恵まれ、羊飼いを生業とし、安定した幸せの生活の中にいた。すでに逃亡生活は40年を数え、かつて同胞を救いたいという正義感や情熱は枯れてしまっていた。私たちの熱心も、情熱もやがて消える。しかし、聖書はそのような私たちに情熱を失わない熱愛の神がおられることを語る。この神の語り掛けを聞く時、私たちの信仰の残り火が再び燃え上がるのだ。
神は燃え尽きない柴の炎の中からモーセに語りかける。神の計画と神の情熱は決してなくなることはないのである。熱愛の神に導かれて出エジプトの出来事が動き出す。モーセの弱さも欠けも全てご存知の神が用いる。