わたしが思い出す宣教師の一人はEBドジャー先生です。彼は戦争開始間際まで日本におられ、強制送還命令により最後の交換船でアメリカへ帰国しました。しかしアメリカ本土に戻らずハワイに踏みとどまり、戦争が終わってすぐに日本に戻ろうとしたのです。以前ハワイのオリベット教会を訪ねたことがありますが、そのドジャー先生のお写真が掲げられており、本当にハワイに踏みとどまれたのだなと感動しました。またドジャー先生のお墓はお父様と共に西南女学院の墓地に埋葬されています。
戦後すぐにドージャー先生は再来日され、先生の呼びかけによって、1947年西部組合系16教会により「日本バプテスト連盟」が結成され、「南部バプテスト連盟」との伝道協カ関係が確認されました。
本日の聖書箇所で、アンティオキア教会の人々は、キリストの福音を周囲の地域に宣べ伝えることを強く感じ、その実現のために礼拝の中で常に祈り、また計画が進められていました。そのような熱心な礼拝と準備の中に神の導き、すなわち聖霊の働きが起こったのです。
アンティオキア教会が目指す世界宣教を聖霊が導き、バルナバとパウロが選ばれて教会から派遣されました。ですから、パウロたちの伝道旅行のスタートは、アンティオキア教会の礼拝にあったのです。そのようにキリスト信者の考え方と行動の出発点は教会の礼拝にあり、その中で与えられる神の言葉にあることを、使徒言行録の著者ルカが私たちに示しているのです。
最後に、この国外伝道を主導された方は誰でしょうか。パウロですか、アンティオキア教会ですか。そうとも言えます。確かにアンティオキア教会が祈り支えた国外伝道です。そして本当の意味での計画者は神である聖霊の導きです。逆に言うならばアンティオキア教会は、この神の導きに応えることのできた教会だったのです。我々もアンティオキア教会のように礼拝によって神に導かれましょう。