ユダヤ人の王が生まれたと星を見て知った東方の学者たちが、ヘロデ大王のいるエルサレムに着きました。しかしそのことはヘロデ王にとって大変迷惑でした。ヘロデ王は、この学者たちに、その新しい王を見つけて調べ、その様子を自分に知らせて欲しいと頼みました。ヘロデはその子を殺そうと思っていたのです。その後学者たちは、その幼子イエス様に会い、ひれ伏して拝み贈物を献げましたが、その夜の夢でみ告げを聞きヘロデのもとに行くのではなく他の道を通って自分の国へ帰りました。
ヘロデは学者たちにだまされたと知って激昂し、その新しい王になる子が2才以下の男の子だと知っていたので、その付近の2才以下の男の子をことごとく殺してしまったのです。 しかしそのことが起きる前に主の使いがヨセフに現れてエジプトに逃げ留まるようにと言われたので、その言葉通りにイエス様一家は難民としてエジプトで暮らすことになったのです。
イエス様がエジプトへ逃れたことは、ユダヤ人のバビロン捕囚と似た思いを幼い時に経験されたのです。そして、ある神学者は18節のラマという場所に人々が集められてからバビロンに引かれて行ったと推測しています。ヤコブの妻であるラケルの悲しみとは、息子ヨセフを殺されたと思った母の悲しみでした。ラケルの悲しみと子どもたちを殺された母たちの悲しみをここで重ねたのです。
ヘロデ大王がイエス様を殺そうとしましたが、そのことを宗教改革者のルターは悪魔の思いだと語っています。悪魔はイエス様によってもたらせる、み国に敵意を持ち、イエスを殺ろそうとする思いです。その悪の力にかられたヘロデの意志を引き継いだのが、十字架を前にした時のユダヤ人だったのです。
イエス様がこの世界に生まれたことは本当に危険と隣り合わせで幼子の時から命を狙われていたのです。その危険を承知の上で神様はわたしたちにイエス様を生まれさせていただいたのです。