ルカはユダヤの地で、ピラトら7人の影響力を持つ人物をまず書き記しました。しかし神はこの7人からではなく、あえて荒野にいるバプテスマのヨハネを選ばれて用いたのです。このバプテスマのヨハネは日々荒野で過ごし、ラクダ毛衣を着て、革の帯を締め、いなごと野蜜を食べていました。このような人をわたしたちは選ばないでしょう。しかし神はそのヨハネを用いました。つまり人の選びと主の選びは明らかに違うのです。
ヨハネの説教のポイントは何だったのでしょうか。それは勧めです。原語的には慰めとも訳せる言葉のようです。喜びを伝えつつ、悔い改めを語ったのです。その悔い改めとは、神のもとに帰れというのです。頑なな心を捨てて柔らかくして神の言葉にうなずいて神のもとに帰れと言うです。さらには、そのしるしとしてバプテスマ受けましょうと呼びかけました。ギリシャ語で悔い改めを意味する言葉は「メタノイア」と言います。これは状態の変化を意味する「メタ」と、心を意味する「ノイア」という2つの言葉を合わせものです。悔い改めとは、心の変化、考え方の変化に関係していることがわかります。 新しい心、新しい考え方、人生や神に対する新しい態度を意味するのです。
新約聖書では、悔い改めについて多くのことが語られています。 それはバプテスマのヨハネだけでなく、イエス様が語ったことばにもあるのです。「悔い改めよ。天の国は近づいた」とイエス様は宣言されました(マタイによる福音書4章17節)。まず神の国はイエス様が来られたことで近づいたのです。そして慰め癒やしが近づいたのです。だからイエス様は神様に立ち返りなさいと語られました。そしてバプテスマのヨハネはイエス様の前を走るものでした。そういう意味ではイエス様を示す最後の預言者だったのです。ヨハネの声にもわたしたちは聴き、その勧めに従おうではありませんか。