本日 2 月 11 日は「信教の自由を守る日」と日本バプテスト連盟は定めております。しかし一般の日本社会では建国記念の日と定められています。それは 2 月 11 日が 戦前、紀元節と呼ばれ、日本書紀の神武天皇即位と関連するものだったからです。戦後一度はその日が廃止されましたが、1960 年代になって政府は再度建国記念の日を制定し、あたかも戦前の天皇制回帰の動きをしました。しかしキリスト教界や他の宗教界も反対をしました。それは戦前・戦中のような宗教弾圧の時代へ逆戻りさせてはいけない思いや、戦争協力をした時代の反省が、キリスト教会や他の宗教界にもあったからです。

戦中、日本社会を取り締まっていた特高警察たちが牧師たちに「聖書の神と天皇陛下とどちらが偉いのか」と尋ね、その返事によって牧師たちは「不敬罪」に問われたそうです。本日の聖書の個所では、イエス様がローマ帝国の支配下で、同じような質問を受けたことが記されています。「そこで、機会をねらっていた彼らは、正しい人を装う回し者を遣わし」とあるようにです。つまりユダヤ人の宗教指導者たちはこの人たちをイエス様のもとに送ったのです。つまり正しい人を装う回し者はスパイでした。そのスパイたちの質問の答え方によっては、イエス様を捕らえられるし、その後総督にイエス様を引き渡せると画策していました。

イエスさまは、その問いかけに対して「皇帝のものは皇帝に返しなさい」の他に「神のものは神に返しなさい」と言われました。そうです。「神のものは神に返す」ように生きよと言われたのです。神に代わって私たちを支配しようとする様々な時の権力が現れます。それが国家であったり、世論だったり、金銭であったりするのです。しかしイエス様は我々に、まことの神に代わるものはない生き方をせよ言われるのです。そうです。「神のものは神に返す」生き方こそ、イエス様が我々に求める生き方なのです。