今年の教会暦では、2月14日からレントが始まっております。レントとはイエス様の苦難を受けたことを思い起こし、十字架の苦しみと死を心に刻む期間です。毎年レントが始まる日は水曜日で、灰の水曜日と呼ばれます。その灰とは灰を被ることと重なり、聖書では悔い改めを意味しております。

このレントの期間はイエス様が荒野で40日間断食し、悪魔から誘惑を受けられたことに基づいていますが、それと共にイスラエルの民が出エジプト後に荒野で過ごした40年とも関係があります。それなので40という数字が、試みの時として理解されました。

この直前にイエス様は弟子たちに「人々は、人の子のことを何者だと言っているか」と尋ね、ペトロは「あなたはメシア、生ける神の子です」と信仰告白をしました。このペトロの信仰告白を聞いたイエス様が初めて、ご自身の十字架刑による死と、死からの復活を話し始められたのです。

さらにイエス様は大変に有名な、み言葉を語られました。それは「人は、たとえ全世界を手に入れても、自分の命を失ったら、何の得があろうか。自分の命を買い戻すのに、どんな代価を支払えようか。」と言われました。このみ言葉をかけげている多くの教育機関や病院があります。私が牧師に就任する直前の数か月働いていた、東京都板橋区にある誠志会病院の待合室にも掲げられていました。つまり自分がたとえ全世界を手に入れたとしても、真の命がなければむなしいと言うのです。そしてその真の命こそ、主イエスにある命で、その命を与えるために、イエス様はサタンの誘惑があろうとも、弟子による一見優しそうな言葉であっても、ただ自分の命を十字架で捧げて、我々の救いの道、永遠の命の道を切り開こうとされたのです。

このイエス様の十字架のわざを、わたしたちはしっかりと受け止めて、人生を歩むことができますように。