ペトロは、イエス様から自分が特別扱いされているように思っていたでしょう。しかしペトロが振り向くとそこに、ついてきている他の弟子がいたのです。それが「イエスの愛しておられた弟子」と記され、それが伝統的にはヨハネだと言われています。そのペトロは、イエス様に「主よ、この人はどうなるのでしょうか」とヨハネのことを聞いたのです。このペトロの思いは相手を思う思いやる気持ちではなく、あいつはどうなるのかという好奇心だったのです。

イエス様はペトロとヨハネに対して、それぞれ異なる役目をお与えになったと思います。各々が神様に対する違う役割があるのです。ペトロには羊を飼うこと、つまり牧会的な役割が任されていたのでしょう。また最後の殉教の死を迎えることによって神様の栄光を現したのかもしれません。ペトロは教会の歴史的にもローマ・カトリック教会の初代教皇とも言われていますので、そのような教会のまとめ役としての働きもあったのでしょう。

一方のヨハネは、長寿を全うしながらイエス様を証しすることが委ねられ、伝統的には、このヨハネによる福音書を記すことが任されていたのです。このヨハネは、まさに最後の12使徒として長い間、キリスト教会の中で、イエス様を見て触れた最後の一人として、後の世代にイエス様の教えを証ししたのです。

聖書によると、ペトロにイエス様から与えられた最後の言葉が「あなたは私に従いなさい」でした。この「あなたは私に従いなさい」との御言葉は、ただペトロに向けられただけではありません。このイエス様の言葉はヨハネにも、いまここにいる私たちにも同じく語られています。わたしたちは神の栄光を生涯を通して現すようにと、それぞれに神の計画があり、その計画に基づいて働きが委ねらているのです。あなたは私に従いなさいとのイエスさまのみ声に従いましょう。